今日の川上さん 革切り包丁
サロアル革職人の川上です。
私の愛用品ということで、革職人必須の道具「革切り包丁」をご紹介させていただきます。
バッグやお財布は、大小様々なパーツで構成されていますが、一枚の革からそのパーツに切り分ける工程が「裁断」です。
大量生産の場合、主に金属製の型を使用して上から専用のプレス機で断ち切るのですが、1点ものやサンプルを制作するときは、革を切るために作られた「革切り包丁」の出番です!
パーツの元となる型紙を革に映し描いてから、その線の内側に沿って革切り包丁で手断ちをしていきます。
技術も大切ですが、「コバ(裁断面)の美しさ = 集中力」と言っても過言ではないため、その瞬間はひたすら「没頭」します。曲線なんかは特にシビアで、もちろん角が生まれたらアウト。手断ちは見栄えの良し悪しが自身の技量を直接反映するからこそ、やりがいがあると感じています。
サンプルを作るとき、裁断はまさに「デザインを具現化する全ての始まり」であり、その重責は私自身の手に委ねられています。
その想いを忘れずに、ひたすら手断ちの技術を極めていこうと思います。