キャリー トートバッグ ヴァーティカル 春の新作、企画デザインにこめた想い

ルクソールレザーで、「オンとオフの枠」を超えたトートバッグを

社長の満田がイタリアの出張から帰ってくると、いつも新しい革のサンプルをたくさん持ってきてくれます。「こんな革があるんだ!」と、子供のように夢中になって、時が経つのを思わず忘れてしまうのですが、一方で「バッグやお財布にしたときに、革自体の魅力がしっかりと引き立つのかな?」と、冷静に考えてしまうことも。(笑)

中でも私の心をしっかり掴んだのが、この「ルクソールレザー」。

原皮からこだわったイタリア老舗の高級レザーで、革自体のふんわりとした質感の良さはもちろんのこと、シュリンク加工による繊細な美しさは香り立つかのよう。洗練された佇まいを感じさせながらも、どこかリラックスできる優しい雰囲気を備えていて、そのバランスが決め手でした。 このレザーならビジネスでもカジュアルでも「オンとオフの枠」を超えたバッグが作れる!と、早速デザインを考えることになりました。

「いつも一緒」の大切さ

私はデザイナーというお仕事をしていますが、やはり私の考えたデザインを片時も離れずに愛用していただけたら、とても嬉しいです。それはお客様の中に「心から気に入った!」という純粋な理由が含まれていると思うからです。ファッションを通じてお客様に大きな感動を与えることを考えたとき、避けては通れない道の1つだと考えています。 だからこそ贅沢と言いますか、少し無理な言い方をすると、「オンとオフの枠」を超えてほしい、いつでもどこでも使えるバッグをつくりたい。そうすれば、- もっと同じ時間を共有することができる - 今回のトートバッグをつくった大きな理由です。 突き詰めて考えると、言葉通りにすることは不可能に近いと思います。でも、そういう風に考えて生まれてくるデザインも、尖ったデザインに負けず劣らず良いものを生み出すことができると信じています。 このバッグを色々な場所に持っていってほしかったので、デザインを考えるときは実際にカフェだったり、美術館だったり、思い付くままに足を運んで、その場でじっと考えていました。カフェに行ったときには、やっぱり大好きなチーズケーキとブラックのコーヒーを頼みます。(笑)

意識した2つの「核」

このトートバッグの「核」は2つあります。

まず1つ目は「どんなときも寄り添ってくれる存在」であること。

無駄を排除しつつ、それでいてマンネリ化しない、そのバランスを考え抜いて絶妙なシルエットに。実際に使用したサロアル スタッフの意見を幅広く取り入れ、自分自身の直観を組み合わせながら何度もディテールを改良しました。トップ、外側と内側のポケットにはジップを付けて安心感もしっかりと。

そして、2つ目は「革そのものの持ち味を余すところなく味わえる」こと。

超一流のシュリンクレザーですから、その魅力を余すことなく、ストレートに伝えることを常に意識していました。そのため、良い意味でも悪い意味でも、革とケンカをすることもある金具の使用は慎重に検討する必要性が出てきます。色々と考えた結果、金具の華やかな印象に頼らなくても、デザインの佇まいや革の良さで十分に勝負できる!ということに。プレーンに仕上げることで、良い意味で「自己主張しないデザイン」にすることにしました。

そして、いつまでも

デザインにトレンドや旬を取り入れることは大切な事です。でも、追いかけ過ぎると、たまに他のものが恋しくなったりします。そんなときに使いたくなるデザインって良いなと思うのですが、今回のトートバッグもそういう存在になってくれると思っています。そうして戻ってきたときに、オンとオフの垣根が無いトートバッグなら気軽に、肩肘張らず使うことができます。 私がこのトートバッグと一緒に行きたいところはやっぱり、オープンカフェ。雲ひとつない青空と、爽やかな日差しが差し込むパラソルの下、通り抜ける風と日陰がリラックスさせてくれる・・・そして、注文するのはチーズケーキ、コーヒーはブラックで・・・たまには紅茶もいいかもしれませんね。(笑)お客様にもこのトートバッグをお持ちいただき、自分自身の心が赴くままに、色々なところに足を運んでいただければと思います。 いつでも、どこでも一緒に、そして「いつまでも」一緒に。このトートバッグがお客様の最も身近なバッグになってくれることを願っています。 SALON DE ALFURDデザイナー 酒田いづみ