特別公開! バッグ製作工房

アンジェリーナボックスの秘密に迫る

創業40年 大兼商店 サロアルのバッグの中でお客様の支持率No.1を誇る“アンジェリーナボックスシリーズ”。これらのバッグは日本の熟練の職人さんの高い技術力があってこその逸品です。 今回初めてその“熟練の職人”さんを取材させていただきました。職人さんのホームである工房で、皆さんのお仕事ぶりと素顔に触れることができました。

感性と技術力そして心遣いは商品へ表われる

大兼商店さんは大兼政清一さんをはじめ、佐藤紀夫さん、佐藤末治さんの3名がサロアルの商品(アンジェリーナボックスやジャグジー バイカラー トートバッグなど)を担当してくださっています。 工房は、大兼政さんが「どこに何があるか一目でわかると作業がしやすいでしょ?」とおっしゃる通りの、整理整頓されたすっきりとした空間です。大兼政さんが革漉きの作業を手際よくこなす後ろ姿にはベテランの余裕と威厳を感じます。 銅板で型を抜く革の裁断も大兼政さんの担当。型を抜きながら「商品の感性(その商品らしさ・雰囲気)を出すためには、職人の感性が必要で、それを活かす高い技術力も必要になる」とおっしゃいます。また「天然の革は縦・横で伸び方が違い傷もあるので、型抜きには工夫が必要」とも。それは裁断やミシンも同様です。そして皆さんが口を揃えて「サロアルさんは検品が厳しいからね(笑)」とおっしゃいます。 職人歴50年を超える佐藤さんは「失敗のない商品を作る」というモットーのもと「アンジェリーナボックスは裏地に芯を入れて革にふわっと感を出すんですよ」とおっしゃいながら柔軟性のある革を優しく手早く裏返します。 職人=頑固で怖いという昔ながらのイメージとは全く真逆の、繊細で優しい方々でした。

人にも商品にも誠意をもって向き合う!

最後にお尋ねしました。 「大切にしていることはどんなことですか?」すると「商品に自信と誇りを持つ」「納期は守る」「誠意をもって人間関係を大切にする」というお返事でした。この言葉からうかがえる“職人としての自信やプライド”、これこそが大兼政さんのおっしゃる「おかげさまで永く順調に仕事を続けてこられました」という成果につながっているのだと感じました。 アンジェリーナボックスシリーズがお客様に愛される理由…。その一つが、こうした大兼政さんをはじめとする皆さんの誠意ある丁寧な仕事ぶり、商品に込めた愛情であると確信しました。 今後もサロアルと共に、お客様にとってより良い商品、愛される商品づくりのためにどうぞご協力をお願い申し上げます。

こだわり1 見えない部分にこそ必要な工夫

アンジェリーナボックスの底の部分は、革の柔らかさを活かしつつも、型崩れがしにくいように、芯を入れています。よく見ると、その芯とバッグの裏地がずれないようにしっかり縫い合わせ、安定感をだしています。中の荷物が動いて裏地がよれると、しわになったり耐久性が損なわれてしまったり・・・。美しいフォルムが崩れてしまうことも。職人さんは長年の経験からくる勘をもとに、定規を使わずフリーハンドで縫い合わせます。「バッグのフォルムを維持するためにも大切な作業だと思っています」とのこと。

こだわり2 美しい仕上がりの決め手はサイドの整え方にあり!

弾力のある柔らかな革を縫い合せると、縫い目の横が膨らんでバッグのシルエットにも影響が出ます。アンジェリーナボックスは、よく見るとサイドの部分がすっきりとしていて、まるでアイロンを当てたような平面になっています。それは、縫いっぱなしにせず、一度縫ってから左右に開いて丁寧に糊で貼っているからです。なめらかに美しく仕上げるための重要なひと手間なのです。革が重なっている部分でも突っかかりがなく、触り心地が良いのをお解りいただける事ことでしょう。

こだわり3 ハンドルに込められた匠の技

バッグを持った時の印象を左右するハンドル。手や肩に触れたときの感触が心地よく、長く使い続けたくなるための手間ひまかけた作業が存在します。 まず、細長く裁った革の裏に糊を塗り、両端を中央に折り返す。それを二つ折りにし、別に裁った革でぐるりと巻く四重構造という丁寧さ。革を幾重にも重ねると、厚くなりミシンがかけにくくなるし、かといって薄くすると貧弱で頼りなくなってしまうという難しさがあります。 サロアル指定のこのデザインハンドルは、このように作業工程が複雑。でも決して手を抜かない職人さんの技が活きているのです。 大兼政 清一さん (職歴約50年)
  • 1978年 「大兼商店」創業
  • サロアルとの出会い:材料屋さんの紹介で先代と現社長が来訪して以来のお付き合い
  • 性格:整理整頓好き
  • 趣味:以前はマラソン、今はウォーキングとラジオ体操