その発色と輝きは老舗ジュエリーメゾンが作る美しい宝石のごとく
こんにちは。
社長兼レザーバイヤーの満田です。
今回もサロアルセレクトの革にまつわる「いろは」をお届けいたします。
今回は昨シーズン新たに採用した「イタリアンパテントゴートレザー」についてご紹介したいと思います。
直感で手繰り寄せた最高級のエナメルレザー
イタリアンパテントゴートレザー(以降、IPGレザー)は、その名の通り、ヤギの革にポリウレタン(以降PU)のコーティング加工(=エナメル表面加工)を施したイタリア製の革です。エナメルという呼び方とパテントという呼び方がありますが、いずれも同じ革を指します。サロアルではネーミング的に少し洗練された印象のパテントを使っております。
一般的に、エナメル革はエナメルをのせていない革に比べ、エナメル樹脂をのせる工程が増えるため、その分の手間と樹脂代がかかり、エナメル樹脂なしの革よりもお値段が高いのです。
こちらのレザーは、PUを革の表面にのせる前に、さらにひと手間かけ、革の表面にパール加工がされております。これによって、エナメル特有のジェリー状の輝きに、パールの内なる輝きも加わり、より上品な輝きを放つのが特徴です。
世界最大の革の見本市である「リネアペレ」
世界最大の革の見本市である「リネアペレ」にて、その美しさに一目惚れしました。ただし、お値段が高いので、要検討事項とし、迷いながらの帰国となりました。それでもその美しさが忘れられずに採用を決定しました。IPGレザーは自信を持ってお届けできるレザーです。サロアルのレザーの種類の中では、ボックスカーフレザーと並ぶ最もランクの高い「ラグジュアリー」なレザーです。
イタリアンパテントゴートレザーの8つのポイント
IPGレザーは、以下の特徴があります。
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美しさ:サロアルオリジナルカラーで別注した美しいカラー、ゴート革の独特のシボや表面加工など、その雰囲気はまさにイタリアンラグジュアリー。
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耐久性:PUコーティング加工が施されているため、傷がつきにくく、長年ご使用いただいてもあまり劣化しません。
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耐水性:PUコーティング加工は水に強く、雨や汗など多少の水は弾きます。
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軽さ:PUコーティングを革の上にのせる分、通常のレザーよりも重くなりがちなパテントレザーですが、ゴート革ゆえに実現する軽さです。
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柔らかさ:コシのある柔らかさはとても扱いやすく、バッグやお財布など様々なアイテムに応用できます。
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肌触りの良さ:シボには独特の凸凹があるので、肌に貼り付くビニールのような嫌な肌触りは無く、とても快適です。
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お手入れ不要:お手入れはほとんど必要なく、長くご愛用いただけます。
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大人のニュアンスカラー:サロアルの別注カラーで、色出しから製作依頼をしたので、コーディネートに溶け込む大人のお色に仕上がっております。
サロアル別注カラーは、ナポリの名門タンナーだからこそ実現
あらゆる面で最高ランクのIPGレザーは、技術的にも大変優れたナポリの一流タンナーさんだから実現できるのです。リネアペレでもひと際大きいブースを構え、最高クラスのレザーのみを扱うタンナー「RUSSO DI CASADRINO社」製のレザーです。ラグジュアリーブランドからの支持がとても高い名門タンナーです。カラーはサロアル独自のカラーでオーダーし、色出しがとても難しい独特のニュアンスカラーも、美しく仕上げてくださいました。
イタリアへのオマージュはカラー名にも反映
サロアルで別注した4色のカラーには、今回はイタリアへのオマージュ(敬意)から、イタリア語でネーミングをすることにしました。赤ワインは“ヴィーノロッソ”(ワインレッド)、海のような深いネイビーの“マリーナ”(ネイビー)、シャンパンのような淡いゴールドの“オロシャンパーニュ”(シャンパンゴールド)、ややブルーがかったシルバーの“アルジェントプラチーノ”(プラチナシルバー)の4色。いずれも、コーディネートしやすく美しい色合いです。
現在、アンジェリーナボックスミニ(Mサイズ)、ジャグジー ホリゾンタル ポシェット スマイリーフェイス パンチングVer.、スペリオーレリュックサックの3アイテムで展開中です。
IPGレザーのお取り扱い方とお手入れ方法
IPGレザーを使用する際に、注意していただきたい点は2点あります。
印刷物が転写されること
印刷物などの印字やプリントがエナメルの表面に密着すると、それらがエナメル面に転写される可能性があることです。特に夏の暑い時期にはご注意が必要です。一度転写されてしまうと、除去することはほぼ不可能です。特に淡いお色では目立ちやすいのでお気をつけくださいませ。
色ヤケすること
保管時などに、直射日光などが当たると色が薄くなったり、黄色く変色したりする“色ヤケ”が起きる可能性がございます。保管時は革の表面の汚れをタオルやクリーナーを使って拭き取り、冷暗な風通しの良い場所に休ませてあげてください。
IPGレザーはお手入れにあまり手間がかからない革です。
それは表面のウレタンがソフトなレザーにしっかりと圧着しており、表面を保護してくれているからです。基本的にはお手入れはなにもしないでOKです。水に濡れたり、汚れが付着したりしたら、タオルで拭き取っていただく程度で大丈夫です。より丁寧なお手入れをご希望される方は、エナメルレザー専用のクリーナーとクリームが市販されているので、こちらをご活用されることをお勧めいたします。